昨年のグラミー賞で 8 冠をはたしたノラ・ジョーンズの 2nd アルバム。受賞後初のアルバムということで注目も集まっている。
一通り聞いてみての第一印象は、1st の「COME AWAY WITH ME」のB面(…といってわかる人も少なくなったのだろうか?)という印象。
ファーストの雰囲気を期待通りにひきついでいる。
しかし、よくよく聞いてみると、ジャズの印象がつよかった 1st にくらべて、カントリー & ウエスタン、ゴスペル、ホンキートンク・ピアノのバラードなど、バリエーションをふやし、さながらアメリカ音楽のルーツをめぐるグランツアーともいえる内容になっている。
しかし、それでも、第一印象が「1st のB面」だったことが意味するのは、一言でいって「何をやってもノラ・ジョーンズ」という安定感があることだ。
竹中直人さんが、どんなドラマ・映画に出て、どんな役をやっても「役者・竹中直人」の強烈な印象を残すのに似て(残念ながら、こちらはあまり好みでないのだが…)、わずか 2 枚目のアルバムでその辺のサジ加減をつかんでいるのはなかなかのものだ。
むしろ、最初のアルバムが強烈にヒットしたアーチストにかぎって、その印象をひきずるのを嫌って冒険し、結果として失敗するパターンが多い(というイメージがある)。
前述のノラ・ジョーンズのグラミー賞 8 冠は、1st にしてどこか懐かしさを感じさせる高い普遍性が最大の武器になったとぼくは思っている。
ぼくは、こういう「ニュー・クラシック」的なアプローチに先人たちへのリスペクト(尊敬)を感じて、とても好感をいだく。
ことし25歳という若きホープ。
ぜひ、これからもずっと「何をやってもノラ・ジョーンズ」の姿勢でがんばってほしい、と思う。
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