これまた大事な映画です。
安倍首相は、任期中の改憲を公約にその地位に着き、いま先頭に立って、改憲手続き法案…要するに憲法をかえるための準備をすすめている。
なぜ改憲が必要か――安倍首相の説明は「戦後、GHQがつくった憲法だから」というものだが、この映画がテーマにしているのは、そのGHQ はまさに日本人がつくった原文をもとにして憲法をつくったという点だ。
戦争中、治安維持法で投獄され、獄中で憲法学を学んだという鈴木安蔵さん(高橋和也さんが学究肌で情熱的というキャラクターを好演)が中心となってつくった憲法私案について GHQ が事細かに研究し、字句をふくめその成果を生かしたという資料が残っていたことから、いまの日本の憲法は、GHQ = アメリカがゼロからつくって押しつけたものではなく、その大事な部分は日本人自身がつくったんだということをあきらかにする。
憲法9条だけでなく、国民主権、基本的人権など、あらゆる面で、日本人自身が努力し、明治時代の自由民権の思想や運動もひきついでつくられたのがいまの日本の憲法だというのは大いに感動に値する。
それを、田丸麻紀さん演じる出版社の派遣社員が発掘するというエピソードにからめて現代に引き込んでくるというのも月並みながら成功している。
そもそも安倍首相をはじめとした改憲勢力が、「だれがつくったか」ということだけで改憲を突破しようとしているのは、憲法の内容にはケチがつけられないから…と、いろいろ思うところはあるけれど、とりあえず見てほしい映画です。
また、憲法のことを知りたい、知ってほしいという多くの個人や団体がスポンサーになって製作されたという点でも、特筆すべき映画です。
まだ募集しているようなので、「映画のスポンサーになれるチャンス」かも(ぼく自身も検討しています)。
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