前作「オーシャンズ11」で、大人の小粋な世界観にもとづくヒットを放ったキャスト、スタッフがもう一度集まりーの+αでつくった近作「オーシャンズ12」。
前作のぼく的な最大の「トリック」は、身を守るための監視装置をつかって相手を罠にはめた、三角関係の突破部分。
ジョージ・クルーニー演じる、寡黙で影をおった主人公ダニー・オーシャンの静かで大胆で痛快な「最大の」作戦だ。
すべての作戦を終えて、暗がりの中11人が噴水前で、静かに成功の喜びをかみしめるシーンも味があった。
さてさて、近作「オーシャンズ12」は…
うってかわって、大人の悪ふざけにもとづく作品。
前作の上品さとはうってかわった「ガハハ」笑いのシーン、チームワークのまったくかみあわない11人、目の前にある大人の恋よりも古きよき若かりしころの恋愛が印象に残る展開などなど、前作があるから許されるのであって、これが1作目だったらぜったい空振り間違いなしの悪趣味作品。
そしてなんといっても、ジュリア・ロバーツ演じるテスの変装…もうこれは楽屋落ち、内輪受けの類で、まともにヒット作品をつくろうと思ったらぜったいありえない展開だ。
しかし、これでもそれなりに成立してしまうのだから、これはもう大物たる役者や監督と、メディアのパワーとしかいいようがないな。
それとも、この作品を笑って許せないと「大人」とはいえないということか。
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