発売元 : ジェネオン エンタテインメント
品番 : OPSD-S650 / メーカー希望小売価格 : 5,040円(消費税240円ふくむ)
大ファンのソン・イェジンの日本公開最新作ということで。
相手役は「猟奇的な彼女」のトホホ男役のチャ・テヒョン…期待が高まる。
前半は、80年代の「パンツの穴」や「ビー・バップ・ハイスクール」をほうふつとさせる「青春の暴走」的ドタバタで、「韓国映画にもこういうのがあるんだ」、「どうなることやら…」という雰囲気で眺めていたわけだが…。
彼に別れを告げた後のソン・イェジンの涙、その一撃で「あれ? これただのドタバタじゃないかも…」と思わせるあたりはさすが!!
案の定、涙、涙のエピソードがいくつかあって、なんとも不思議な印象を残すエンディングへとつながっていく。
けっして完成度の高い映画ではないけれど、あたたかいエピソードで泣きを誘うあたりは実に韓流のおもむきで、悪くない。…
やはり、韓流といえば、人間関係の濃密さ。
この映画でも、主人公と、幼なじみとその父親という関係にくわわって、主人公と幼なじみの父親が学校の師弟関係でもあるという二重構造。
さらに主人公の父親が出てこないので、この人物が主人公の父親的な役割も担っているという、もう一回りの濃密さ。
日本の映画もそうだし、とくにハリウッド映画では、主人公たちの親って、メチャメチャ影が薄いんだよな…と気づかせられる。
そして、この映画を見て再確認したのだが、韓国映画では、血が視覚的に登場人物たちの「熱い思い」を表現しているというところ。
韓国映画で単に肉体的な痛みや恐怖感を表現するのに血が使われているのを見た記憶がない。
ちなみに、この映画では、片思いの幼なじみに対する熱い恋心を「鼻血」で表現しているわけだが。
以前に紹介した…あ、してないか…「力道山」も終盤痛々しいシーンが連続なのだが、そこでも血が「熱い思い」を表現するのに使われている。
というわけで、「ソン・イェジンの魅力たっぷりの韓国映画」としては、「ラブストーリー」や「私の頭の中の消しゴム」に十分匹敵する好作品。
(ちなみに、ぼくのなかで評価が低いのは、「四月の雪」とか「永遠の片想い」)。
上映館がかぎられてるけど、ファン必見です。
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