発売元 : ジェネオンエンタテインメント
価格 : 15,960円
同 下巻「たかし」
価格 : 15,960円
宮藤官九郎さんには、「ドラッグストア・ガール」でショックを受けたので、どうもいい印象がなかった。
しかし、最近の「タイガー & ドラゴン」で、「おっ、やるじゃん」な感じをうけて、この「吾輩は主婦である」も連日ビデオにとって見つづけたわけで。
わが家ではこれらを「当たりのクドカン」と命名。
「当たりのクドカン」に共通するのは、表面的な新奇なキャラクター設定の奥にきっちりと描かれる普遍的な人間性。
この「吾輩は主婦である」では、斉藤由貴さん演じる主婦に、夏目漱石がのり移って(?)しまい、夏目漱石が主婦の目線で現代社会をみるというストーリー。
漱石が、パソコンの Word で小説を書き、明治の時代にはなかったシュークリームやカップラーメンなどのおいしさに感動し、及川光博さん演じる夫に「赤パジャマ」、竹下景子さん演じる姑に「泣き女」といったあだ名をつける。
しかし、自分をさす一人称は「わが輩」という「ちょっとそれっぽい」絶妙なキャラクターをつくりあげている。
でもって、この主婦漱石とか、落語家ヤクザとかいうイガイガを一皮むくと、そこには子を思う親とか、近所づきあいとか、自分の居場所とか、主婦だけでなく姑もいっしょに笑い涙できるような普遍的なメッセージを、「この変なキャラクターなら許されるだろう」とばかりにストレートにぶつけてくる。
そして、「タイガー & ドラゴン」の現代のストーリーを落語にリメイクするというような脚本の構成のおもしろさも、この「吾輩は主婦である」にはふくまれている。
詳細は、「ネタばれ」になるので避けるが、ドラマの放送上ではラスト1週間分ぐらいで実に漱石的なまとめを用意していたのにはため息がでるほどの新鮮味を感じた。
というわけで、おそらく知名度的にはおそろしく低いであろうこの「当たりのクドカン」強力プッシュですよ。
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