公開早々にいっちゃいました。
「トイ・ストーリー&トイ・ストーリー2」、「モンスターズ・インク」と、ヒットを連発しているピクサー(pixar)の最新作だ。
今回のおもな舞台は海。
クマノミのマーリンが、ダイバーにさらわれた息子のニモを探して、ひろくて深さもある大海原を舞台に大冒険をする、というストーリーだ。
毎回、コンピューター・グラフィック(CG)のみで、「そこまでやるか ?」という世界をかたちづくってきたピクサーだが、今回ほど CG であることの意義を感じさせた作品はなかったろう。
「トイ・ストーリー」シリーズにしても、「モンスターズ・インク」にしても、ストーリーのおもしろさやキャラクターの魅力には異論はないが、ぶっちゃけ「どうしても CG じゃなくちゃダメ ?」とつっこみを入れたくなる感もあった。
どちらかというと、マニア的視点として、「トイ・ストーリー2」で棚の上にほったらかしにされているペンギンにつもったホコリの表現とか、同じく、上からひもでつるすマリオネットの表現(しかもフィルムに傷がついている)、「モンスターズ・インク」の主人公の”ふさふさ”などなど、「よくまぁ CG でやるなあ…」と感嘆と同情を買うというものが多かった。
しかし、今回は違う。
主人公の魚たちが、ただ画面のなかで止まっているシーンでも、微妙な重力と浮力をヒレでコントロールしている感じが実にリアルに伝わってくる。
海の中の透明度や、光の届き具合、魚ごとに違う表面の反射など、ダイビングや魚類図鑑の写真で見たような(そしてほどよく色補正してある)美しいシーンの連続に、途中からCGであることを忘れてしまう。
実際にいる魚たちの特性をふまえたキャラクターづくりとあいまって、そのリアルな舞台装置が、小さな魚・クマノミの大冒険をリアルに感じさせるようにできている。
今作を普通にアニメでつくったら、いかにもチャチな普通の「アニメ映画」になっていただろう。
そう思うと、同じディズニー系の「リトル・マーメイド」あたりを「怖いもの見たさ」でふりかえって見てみたい気がするが…。
ストーリー展開は、「モンターズ・インク」でのしっとりとストーリーを展開させるパターンを反省してか、「トイ・ストーリー」以上にこれでもかこれでもかと、スピーディーなイベントをクリアしていく、ハラハラドキドキのストーリーにしあがっている。
本当に画面がきれいだし、しかもけっこうセリフが多いので、わりきって日本語吹き替え版というのもアリかもしれない。
基調となるメッセージがややありふれてるのと、しばらく魚が食べられなくなりそうだから(これ、マジで)、75点!!
p.s. 劇場でそばの座席に子どもがいて、スタッフ・ロールがあがったあとに展開する最後の最後の「一発芸」にその子がほんとにうれしそうに声をあげた。
声のかわいらしさといい、絶妙なタイミングといい、聞いていたこっちがしばらく笑いが止まらなかった。
見終わった後の充実度としては +10点(笑い)。
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