試写会に誘われていってきました。
いやー、最近見た2本の映画と対極。
とにかく楽くて最高!!
オリジナルがブロードウエーミュージカルって知らなかったから、こんだけ楽しい楽曲がガンガンくるとは思わなかった。
はっきりいって、椅子に腰掛けて見て(聴いて)るのはストレス。
映画館じゃなくて、もともと椅子なしのデカいライヴハウスなんかで上映やったら、けっこううけると思うぞ。
ストーリーは別にどうってことないし、ビヨンセが演じた主役・ディーナのモデルはダイアナ・ロスらしいとかのゴシップとか、そんなことどうでもいい気がする。
テレビやメディアを利用してヒットチャートをひた走る路線、虐げられた人たちのドロドロとした思いを表現してときどきマグマの噴火のような単発ヒットを生み出すドロ臭い路線、そのもとでのアーティストの葛藤…などなど、特定のアーティストということではなく60年代から80年代にかけてのアメリカのブラック・ミュージックを象徴した年表みたいなもんじゃないかな。
だからこそ楽しい。
具体的な「誰か」なら、そこにはかならず終わりがある。
この作品が描いた時代からさらに20年もたっているんだから。
抽象的な人物で描くからこそ、そこに夢をたくすことができる、「楽しい」映画になってるんだと思う。
あえていうなら、黒人の女性、「製品」と揶揄されたディーナが1人の人間としての尊厳を「Listen」という歌にのせて高らかにうたうところが一つのクライマックスだと思う。
そこに二重に虐げられてきた「人」たちの人間性回復の歴史的ドラマが暗喩されているような気がする。
ミュージカル仕立ての映画とサントラのメディア・ミックスな感じが、「フラッシュダンス」や「フットルース」あたりを思い出させるあたりもなつかしいんだけど、詞が自分探しな曲が多いところが「いま」っぽい。
だからこそ、人間性回復のメッセージに大いなる励ましがあるように感じとったんだけどなぁ。
そういう時代だからみんな怒ってるんですよ、柳沢大臣…とか思った次第。
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