イギリスの「女子サッカー」を舞台に、スポーツものの爽快感と、インド映画風ゴージャス感が融合したニュー・フレーバーな1本。
最近 DVD が発売された。
親の反対を押し切ってプロをめざすが、決勝戦の日に…とストーリーはスポーツものの王道。
この運びはありがちだけど、ラストにむけた家族とのやりとりにジーンとくる。
アジア的な家族のつながりの強さが、イギリス映画にふんわりととけこんだ感じだ。
インド系イギリス人を主役にもってきて大正解。
昔、女子サッカーの強豪といえる女子高で、サッカー部の生徒たちに取材をしたことがある。
当時は J リーグが発足したばかりで、ブームにのって入部した女の子がほとんどだろう、と企画もしたし、自分もそう思って取材にいった。
しかし、練習のようすは真剣そのもので、「お遊び」という雰囲気は一切ない。
ヘディングだけのパス練習もすれば、シュート練習の一球一球にも、試合の PK 戦にもつうじる緊張感があふれていた。
その風景は「女子サッカー」というニュアンスよりも、あくまで「サッカー」。
プレーヤーが女性だというだけ。
話をきいても、小学校のころからやっていたという子がほとんどで、なかには「公式戦は『出場資格 : 男子』なので悔しい思いをした」という子もいた。
この映画、原題は “Bend It Like Beckham (ベッカムみたいに曲げろ)” なのに、ちょっとトホホな邦題がつけられている。
たしかに「曲げる」べきものがあると痛感する。
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