ひさびさに「いい感じ」の日本映画。
「SFなんて読んだことないSF研究会」の部室に突然あらわれたタイムマシン。
ちょいとエアコンのリモコンをとりに昨日へいってみるか――っていう軽さがいい。
出演の、瑛太さん、上野樹里さんなんかの、日常的なハイテンションぶりが実に絶妙だし。
タイムマシンってのも永遠の夢だけど、そもそも昨日やきょうって短い日常がドラマになるのが青春。
このドタバタ感が最高!!
高校・大学時代、ぼんやり充実とした日々を、心のどこかでは終わることのないものと信じていた、たしかに。
ある意味、それは、きょうから昨日へとえんえんとタイムマシンに乗りつづけていたような感覚だったといえなくもない。
しかし、見事なのは、このドタバタとしたドラマのなかにあって、突然未来に対する姿勢への問いかけがおこなわれる。
「もしかしたら、すべてはだれかにきめられていたのではないか。神さまとか…」
「(タイムマシンという)夢はいつか実現されるということはわかった。じゃあ、オレがそれをつくってやろう」
などなど、周囲のものたちが語る未来に対する小さな戸惑い。
しかし、自分の人生にたいする姿勢をきめるのは自分しかいない。
そのあたり、きっちりと「バック・トゥー・ザ・フューチャー」なんかをオマージュし(映画のポスターも出てくるし)、いい部分をとり入れつつも、あいまいになっている部分にメスを入れて昇華させている。
すがすがしく気持ちいい。
しかも、時間旅行は、(おもに)昨日・今日。
「スケールの大きさ」で、人生の楽しさや輝きがかわるわけではない、というのも隠れたメッセージかもしれない。
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